2024トップインタビュー

　—今秋新本社兼倉庫が稼働します。
　現本社近くの約４万２９００平方メートルの敷地に、鉄骨２階延べ約１万４千平方メートルの新本社と倉庫が完成します。このうち倉庫は約１万３２００平方メートル。荷物を自動で運ぶ垂直搬送機を２基、貨物用エレベーターを１基備え、常温の食品なども扱います。現本社隣の倉庫２棟（計約６千平方メートル）も引き続き活用し、新旧本社併設の倉庫面積は現在の３・２倍になります。
　—運転手の残業時間規制の適用で物流の停滞が懸念される「２０２４年問題」が指摘されています。
　大型の長距離輸送を得意とする会社として発展してきました。規制で運転手１人当たりの輸送距離が実質的に短くなり、これまで関東方面へ翌日に届いていた荷物が翌々日になります。ガソリン高騰もあり、運賃の底上げが鍵となります。人手不足が加速する中、運転手の給料は絶対に減らせません。３割程度の運賃の値上げを荷主に粘り強く訴えていきます。
　—人材の確保が急務です。どんな工夫をされているのでしょう。
　動画投稿アプリや写真共有アプリといったＳＮＳを活用しています。コンテンツはドライバーの一日の流れや車両の紹介などさまざま。ダイレクトメッセージで気軽に質問できると好評です。月７０人ペースでフォロワーが増えており、実際にＳＮＳを見て入社した人もいます。有給取得など福利厚生も充実しています。
　—ラッピングトラックや「ＯｋａＳｙｏ春祭り」など地域貢献に力を入れています。
　岡山城、国宝の備前刀・山鳥毛などのデザインを１０トントラックの側面と背面に施しています。現在、１５種類が“走る広告塔”として県内の観光地を主に関東から九州までＰＲ。毎年５月に開く「ＯｋａＳｙｏ春祭り」は、働く車の展示や中高生の吹奏楽、ダンス、屋台も並び、幅広い世代が楽しめます。５回目を迎える今年もご期待ください。
　—今後の展望を教えてください。
　保管、仕分け、配送を一括して引き受ける「サード・パーティー・ロジスティクス」を柱に事業を展開していきます。荷物をスムーズに届けるため、現在１５ある拠点をさらに増やし茨城、富山、広島に設けたいと考えています。高齢化に伴いトラックの運転が難しくなってもリフトマンなど別の職種で働けるよう雇用を確保し、離職ゼロを目指します。