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2024トップインタビュー




海外からの視点で日本人育成
 —父親の森靖喜前理事長の後を継ぎ理事長になられました。どう新しい時代を築いていかれますか。
 「世界で活躍できる立派な日本人を育てる」という教育理念は変わりません。父は近現代史の教育を見直し、道徳教育に重点を置きました。私は英語科を担当し国際理解教育に携わってきたので、より海外からの視点を加えたい。本校の英語科生徒は1年間海外留学しますが、その経験によって日本人の特性を意識し、自分の国や地域に誇りを持ってこそ海外で活躍できることを学びます。そのスタンスで日本人の育成に取り組みたいと思います。
 —戦禍を免れたウクライナ人の男子生徒が3月まで在籍しました。周囲の生徒への影響はいかがでしたか。
 彼は同級生たちに「ウクライナ人はみんな平和と自由は戦って守らないといけないと思っている。日本人のあなたたちはどうですか」と問いかけ、国際情勢について、生徒たちが自分のこととしてしっかり考える機会をつくってくれました。
 —外国人技能実習制度が見直され、地方でも実習生が増えそうですね。
 いろいろな技能分野で来日する外国人が増えていくでしょう。休止状態だった岡山学芸館外国語学校の再開を準備しています。日本語能力だけでなく日本の文化や習慣、風習を学び、国のためになる素養を身につける手助けをしたい。岡山の在留外国人の中ではベトナム出身の方が最も多く、技能実習だけでなく、文化、スポーツ、芸術などの分野でも交流を深められると思います。ベトナム・ロンアン省に本校の教師を派遣して事前教育を進め、現地から生徒を受け入れる計画です。
 —部活動が活発で全国大会優勝やコンクール金賞が続いています。どう伸ばしていきますか。
 顧問の先生には、部活動はわれわれの教育理念を実現するための手段であることを忘れないでくださいと言っています。勝利至上主義は人間教育ではありません。部活動はあくまで人間教育の場であり、道徳心を育てるための一つの機能です。優勝、金賞に導くためのプロセスが重要です。
 私が卒業式で言い続けているのは、県外で就職して世界へ羽ばたき、自分の人生を花開かせなさい。けれど、ある時が来たら、知識や経験、財力を生かして自分が育った郷土岡山のために何かできることがないか、常に考えて人生を送りなさい—ということです。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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