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2024トップインタビュー




協業・共生・協働で業界課題解決
 —80周年を機に本社新社屋建築など特に設備面充実に注力されました。
 従来比約2・5倍の面積と最新設備を備えた新社屋は災害避難所の機能が追加され、社員の働きやすさだけでなく地域への貢献も視野に入れています。本社に続き、昨年4月には広島主管支店、今年は津山主管支店の新築移転に取り組み、5月に完成予定です。他にも老朽化している建物は各所に存在しており、計画的なリニューアルに取り組む必要があると考えています。
 —業界と会社の現況は。
 世界的な物価高と燃料高騰、さらに人材不足が大きく影響しています。当社の場合、軽油価格が1リットル1円アップするだけで、月200万円の経費増となります。コロナ禍による輸送物量減少も戻っておらず、苦しい状況が続いています。また、働き方改革の5年間の優遇措置が、3月31日をもって終了しました。「2024年問題」の始まりです。改善基準告示の改正でドライバーの労働時間(拘束時間・休息時間・休憩時間等)の規制が強まり、時間外労働時間も、年間960時間以内に制限されます。運送事業者は従来の売上・利益の確保ができなくなり、ドライバーは今までより労働時間が減少し、賃金が下がることになります。結果、輸送能力不足・物流の停滞が懸念され、人材確保が一層困難になっています。業界全体の課題である事業基盤確立と人材確保に向けた処遇改善を図るには、適正な運賃・料金の収受が不可欠です。企業努力で補っていた部分への理解浸透を図り、業界全体で多角的に取り組むことが喫緊の課題です。
 —今後のビジョンは。
 昨年10月に策定された政府の「物流革新緊急パッケージ」には、(1)商慣行の見直し(2)物流の効率化(3)荷主・消費者の行動変容が盛り込まれています。政府が業界に対する取り組みを強化している今が好機と捉え、業界全体で協業・協働する時期に来ていると考えます。競争するのではなく共生を目指してやり遂げることで、物流業界の未来は変化していくと期待しています。当社は、今年の目標を「積極営業の推進と決まり事の厳守」と策定しました。厳しい時代だからと、とどまっていても好転することはありません。外国人や女性、高齢者など包括的な採用や幅広い視野を持った経営改革を断行し、経済の血液である物流を滞らせることなく積極的に取り組んでいくことが今、求められていると考えています。




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企画・制作/山陽新聞社広告本部
※2024年4月1日付 山陽新聞朝刊別刷り特集に原則掲載したものです。
※役職名や内容は原則取材時のものです。

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